
- By Susan Annoura
- In 不動産市場レポート
ヒューストン不動産市場最新情報(2025年7月14日)
ヒューストンの不動産市場の動向に敏感な方なら、「最近は家が全然売れていない」「売却までの期間が長くなっている」「だから価格も下がっているはずだ」と思うかもしれません。これは実際、アメリカ全体で見ればおおむね正しい現象ですが、ヒューストンでは少し事情が異なります。確かに、家が売れるまでに以前よりも時間がかかっているのは事実です。市場に出ている在庫(売却中の物件)も、過去最多クラスに増えています。しかし、驚くべきことに住宅価格は下がっていないのです。先週発表されたHAR.comの最新データによると、ヒューストンの一戸建て住宅の平均価格はむしろ上昇しています。なぜこのような現象が起きているのでしょうか?Realtor.comの新しいデータによると、「売却中止(Delisting)」が約50%も急増しています。つまり、売主が希望価格で売れないと判断すると、価格を下げるのではなく、市場から物件を取り下げたり、賃貸に切り替えたりするという選択をしているのです。では、この状況は買主や売主にとって何を意味するのでしょうか?それは、状態が良く、見た目も美しく、手入れの行き届いた魅力的な物件は今でもすぐに売れるということです。そして、そうした物件は高値で売れるため、全体の平均売却価格を押し上げているのです。一方で、手入れがされておらず、古さが目立ち、見た目に魅力がない物件は、買主から選ばれません。仮に選ばれたとしても、買主は価格交渉をして安く買おうとするでしょう。しかし、3〜4年前の好況期を経験した売主たちは高値に慣れてしまっており、なかなか価格を下げようとしません。そのため、交渉がまとまらず、最終的には売主が売却をあきらめて物件を取り下げるという流れが多発しています。あるいは、本当に売らなければならない売主は、「あまり良くないオファーの中で一番マシなもの」を受け入れて、売却を成立させることになります。買主にとっては何を意味するのでしょうか?現在、在庫水準が5ヶ月近くに達しており、市場は買主優位に傾きつつあるといえます。しかし、だからといってお買い得な掘り出し物がたくさんあるというわけではありません。理想を持った売主は今でも高値を希望しており、買主が「悪いオファーの中で一番良いオファー」にならなければ、売主は取引を成立させず、物件を市場から下げてしまう可能性が高いのです。


