
フランダースの犬 ― アントワープにて
『フランダースの犬(A Dog of Flanders)』は、日本では1975年に放送されたアニメシリーズの大ヒットによって国民的名作となりました。悲しくも感動的な物語が、日本人の価値観である「忠誠」や「自己犠牲」と深く共鳴し、多くの視聴者の心をつかみました。アニメの成功により、物語の舞台であるベルギーのアントワープは、日本人観光客にとって人気の聖地となり、物語のラストシーンに登場する大聖堂を訪れる人が後を絶ちません。
1975年のアニメ版
日本アニメーション制作による全52話のシリーズは、「世界名作劇場」の一作品として放送されました。最終回は涙なしには見られない衝撃のラストとして知られ、視聴率は驚異の**30.1%**を記録し、シリーズ史上最高となりました。
日本での広がり
原作は、イギリスの作家ウィーダ(本名:マリー・ルイーズ・ラメ)によって1872年に出版された小説で、1908年に日本に紹介されました。その後、児童文学として広く知られるようになり、学校教材にも取り入れられました。
1975年当時、攻は9歳。毎週日曜日の夜、家族と一緒にこの全52話のアニメを観ていたそうです。その物語の衝撃と感動は、今でも鮮明に心に残っているとのこと。先週ヨーロッパを訪れた際、私たちは特別にアントワープへ足を運び、物語の舞台となった大聖堂と、ネロが最後に見たがっていたルーベンス作「キリストの昇架」「キリストの降架」の2作品を実際に見てきました。皮肉なことに、現地のアントワープの人々はこの物語をほとんど知らないそうです。それもそのはず、『フランダースの犬』は日本では国民的名作である一方、イギリスの作家によって書かれた作品であり、地元ベルギーではあまり浸透していないからです。


